本を読みました。
冒頭からこんな感じ。
プロローグ
もっと違う種類の仕事を探したほうがいいと気づいたのは、もう少しのところでアメリカ合衆国副大統領にゲロをひっかけそうになったのがきっかけだったと思う。
のっけから何の話かと思った。笑
アル・ゴア副大統領(1993-2001年)の首席スピーチライターだった筆者のダニエル・ピンクが、激務の末に過労で倒れたシーンから始まる。
これはアメリカで2002年に出版された「フリーエージェント社会の到来」の冒頭部分。
会社に雇われる組織人(オーガニゼーションマン)としての働き方ではなく、個人で働く「フリーエージェント」として活躍する人々が増えている。その実態調査や、彼らへのインタビューが掲載されている。(400ページくらいあるから要注意)
正社員だからといって安定ではない
フリーエージェントというと、雇用されていなくて不安定な職のように感じるかもしれないが、本書では
多くのフリーエージェントは顧客やプロジェクトの多角化を図っており、結果的に、従来のような組織に雇用されるよりも安定している場合が多い。
と、述べられている。すっごい分かる。
会社に雇用されて働くというのは、取引先が一つだけしかないようなもの。そこから切られたら収入は途絶えるし、無理難題を押し付けられても交渉が難しい。「会社に正社員として勤めることこそが安定」などというのは嘘。フリーエージェント、もしくはそれに近い働き方こそが、本当に安定した働き方だと思う。もしくは常に自分の技術や能力を交渉材料に会社を渡り歩けるか、だろうか。
自由と責任
フリーエージェントの何がいいかというと、その名の通り「自由」なこと。
誰かの管理の下で、多くの関係者と調整をしながら不自由に仕事をすることは自分にとっては大きなストレスだったことがある。何もしなくても「やるべき」仕事が大量に流れ込んできて、やるかやらないかの選択肢はない。やるべき仕事で埋め尽くされた日々。目の前のタスクを必死にさばいた結果、めちゃ残業して過去最高の給料を記録した月が、過去最高に不幸だった。あのときに気づいたことは「お金は最低限は必要だけど、あればあるほど単純に幸せなワケではない」ということ。自由を奪われストレスフルな生活は嫌で嫌で仕方なかった。お金は最低限でいい。もっと日々を楽しく過ごしたいと思った。
そういえば大学時代に実家から通学できるにも関わらず、自由を求めて一人暮らしをしたのを思い出す。初めて「自由」になり、「自立」したと感じられたあの時期は、最高に楽しかった。(厳密には経済的な「自立」はしていなかったが。)
自分は他の人よりも「自由」「自立」を求める欲求が高いと感じている。
大学を出て就職をしたら、それは一般的には「自立」とみなされるのだろうけど、自分は「自立」していると感じることができなかった。会社のルールに縛られ自由を失い、収入源を1つに制限され不安定になる。これが辛かった。
実際にすぐフリーエージェントになるのは難しいかもしれないが、働く時間や日数を減らしたり、複数の仕事をすることで自由・自立に近づくことは可能なのでは?と思っている。この数年以内に、そういう方向に徐々にシフトしていきたい。責任もって、ちゃんとやるべきことをやりつつ。
1つのスキルがあると強い
もともとIT企業で技術者として成長して、自分の腕でお金を稼げるようになることを思い描いて就職していたが、日々の業務に忙殺されるうちにそんなことを忘れて、ただ目の前を必死に生きていた。結局、組織に労働力を提供して給料を得ることでしか生きていけない体質になってしまったと感じている。
稼げるスキルがある人は、そのスキルを軸にしつつ、もうひとつ自分の稼ぎ頭を育てていくことにチャレンジしくといいと思う。複業禁止されていたり、与えられている仕事が多すぎてそんな余裕がない状況であるなら、まずはその環境を変えるところから始めたほうがいい。
しっかり技術を身につけて、その力で稼げるという自信を持っている人が羨ましい。そういう技術を持つことができたら、その力で生きるためのお金を稼ぎつつ、自分の本当にやりたいことにチャレンジするのだが。まあ、それはこれから徐々にやれたらいいかな。