内閣府から「低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査」の結果が公表されました。この1年ほどで徐々に明らかになってきている低年齢層のネット利用。実態がどのようなものなのかが分かる資料となっています。調査は今年の1月中に行われ、対象は0~9歳の子供の保護者2,000人。そのうち77.5%の1,550人から回答が得られています。
2歳になると利用率が大きく上昇して37.4%が何らかの機器を使っており、28.2%はネットにもつないでサイトやコンテンツを見たりしているとのこと。動画閲覧が多いと推測されます。そこから徐々に上昇していき、9歳ではほぼ全ての89.9%が何らかの機器を使っているとのこと。
いずれかの機器を利用しているうち、子供「専用」の機器を使っているのは2歳児では8.2%とのこと。そんな早くから専用端末を与えているんですね。親のおさがりのスマホやタブレットを家の中のWi-Fi環境下のみで利用しているのでしょうかね。変なコンテンツを見ないように対応できてればいいのですが。
単独で操作する子がこんなにも多いとは。。。まあ、問題の無いコンテンツなら心配ないかもしれませんが。
ここから用途が明らかになります。やはり動画閲覧が多いようです。どの年代でも60~100%の値です。
「コミュニケーションや情報検索は7歳から利用割合が大きく増加」とのことなので、そのあたりから飛躍的に不適切なコンテンツにアクセスする可能性が高くなりそうな気がしますが。どうなんでしょう。
利用時間は1時間程度とのことで、まあまあそれならいいかと思いますが。。。やはり一定数は長時間利用者がいますね。「1日5時間以上」というのも各年代数%はいるみたいです。ネット依存やゲーム依存の危険性があるので注意して使ってほしいです。
ネット利用を注意してやめないのが24.2%いて、パスワードを解除したのが7.4%とのこと。これは依存予備軍?
子供がネット利用するうえでは、100%の保護者がなんらかの対応をしているということで、これには少し安心しました。が、「フィルタリング」は10%前後。「概要4」によると7歳を超えたあたりから検索する子が増えるという結果だったので、その年代あたりからはフィルタリングを積極的に利用したほうがよいかと思うのですが。
81.7%の保護者何かしら学んでいるようです。このような状況では保護者もいろいろ学んでおかないといけませんよね。保護者や幼保の先生にどうやって情報モラル意識を持ってもらうのかが課題になるでしょう。
ネット利用に関しては何かしらルールは設定している家庭が多いようです(88.8%)。ルール設定は重要です。時間・場所を決めずに利用許可してしまうと、いくらでも使い続けてしまう子が出てきてしまうでしょう。
一応フィルタリングについての認知度はそこそこあるようです。しかし「概要7」で回答されていた通り、実際に活用しているのは10%程度となっています。過去の記事でも紹介しましたが、フィルタリングの普及率向上は課題となっているようです。
最近のスマホに対するフィルタリング普及状況 | つながる世界の歩き方
フィルタリング普及率が低下している理由と、普及に向けての取り組みについて調べてみました | つながる世界の歩き方
以上、調査結果を見てきました。「スマホ育児」という言葉も生まれ、年々ネットにつながる年齢層が低下しているという話題は多く聞くようになりました。しかし、まだまだどのような健康被害があるかは研究途中となっており、どのような悪影響が起こるかははっきりしていません。
ただ、もう少し上の層ではすでにネット依存やゲーム依存による大きな問題が明らかになってきています。
スマホ依存の何が怖い? あなたの人生が失うもの|WOMAN SMART|NIKKEI STYLE
特に10代の依存患者の症状は深刻で、「自分はスマホなしでは生きられない」と自覚している人も多く、親がスマホを取り上げると大パニックになり、大暴れした子どもが刃物で親を刺すという殺人未遂事件にまで発展するケースも実際に起きているそうです。
いやいや、怖いですよこれは。。。
近くにいる保護者や幼保関係者はスマホやネットに関する情報を定期的に学ぶようにし、低年齢層のネット利用が長時間化しないよう、そして不適切なコンテンツに触れないよう、見守ってあげる必要があるかもしれませんね。